ヒトラー政権の台頭へと向かう時代を背景に、ベルリンのキャバレー「キット・カット・クラブ」のデカダンなショーと、歌姫サリーをはじめとする人々の恋物語を、絶妙な構成で描く傑作ミュージカル「キャバレー」。
世界中の多くの人が愛して止まないこのミュージカルを、愛とエロスと笑いのエキスパート、知的でアナーキーな表現者、そして実はミュージカルを愛して止まない男、松尾スズキ演出でこの秋上演する!!



松尾色に染め上げられるキャバレー「キット・カット・クラブ」。
映画ではライザ・ミネリが演じた歌姫サリーを、本作でミュージカル初挑戦となる松雪泰子が演じる。映画「フラガール」で女優としての確固たる地位を確立した松雪が、純粋であるがゆえに刹那的にしか生きられないヒロインを演じ、名曲「ドント・テル・ママ」や「キャバレー」でその歌唱力を披露する。
そして作品の肝となる「キット・カット・クラブ」の司会者MCには、「大人計画」の看板人気俳優・阿部サダヲ。愛嬌のある存在感と危険な香りすら漂う度を超えた明るさ、そして無尽蔵なパワーで、この有名なミュージカル・キャラクターに新しい息吹を吹き込む。翻訳ミュージカルに初めて出演する阿部が、「キャバレー」という作品イメージを一新するほど、強烈なMCを生み出してくれることは想像に難くない。
更にサリーと恋に落ちる駆け出しの小説家クリフには、若手実力派NO.1の森山未來。ダンスと歌を得意とする彼が、本領のミュージカルの舞台でその実力と魅力を遺憾なく発揮。まばゆい輝きと情感豊かな表現力は、松尾作品にさらなる弾みをもたらしそうだ。



クリフとサリーが棲む下宿の女主人シュナイダーを演じるのは、「SHIROH」、「タンゴ・冬の終わりに」、「朧の森に棲む鬼」などのヒット舞台作品で、改めてその存在を強く印象付けた秋山菜津子。
彼女に求愛する果物商シュルツには、座長を務める劇団「サモ・アリナンズ」や様々なプロデュース公演で引っ張りだこの小松和重。
そしてクリフに近づく、実はナチスの男エルンストには、豊かな表現力と独自の個性が際立つ村杉蝉之介。
下宿の住人で、実は娼婦のコスト嬢には、透明感と演技力を兼ね備えた平岩紙。
そして、アンサンブルは、松尾スズキの御眼鏡にかなった、セクシーなシンガーとエロティックなダンサーがオーディションで選ばれた。

さあ、あなたも、日ごろの憂さを忘れて松尾スズキによる、“バラ色”のひとときを。ヴィルコメン。ようこそ。
松尾スズキの「キャバレー」へ!