「妙なものをやります」


 5年ほど前、やはり公演と公演の隙間を利用して、「ダブルスタンダード」という企画をやらせていただいた。そのときは、鈴木裕美とのカップリングで、それぞれ1時間以内の芝居を作った。僕はテキストにオールビーの『動物園物語』を選び、舞台装置を何も作らず、むき出しのままの劇場で、かなり好き勝手にやらせていただいた。PARCO劇場はそういうことができる劇場なのだ。
 今回も、単なる戯曲紹介的な朗読会ではない。テキストは多岐にわたるが、僕と横川理彦(音楽&コンピュータ)が、十年以上にわたって、こっそりいろいろなところで試してきた、妙なものである。妙なものではあるのだが、これがやってる本人たちにはとても面白く、何年やっても飽きが来ない。照明プランナー倉本もこのリーディングだけは、絶対に自分でオペをする。たとえ九州だろうがやってくる。面白いらしい。
 というわけで、せっかくだから知り合いのみなさんにも楽しんでいただこうと思い、これまでもかなり大勢の方々を巻き込んでやってきた。今回、浅野さんと藤井さんは初めての登場だが、久世姉は2回目。
 なかなか東京の劇場ではやる機会がなかった。芝居じゃないし、朗読会でも音楽会でもない。妙なものなのだから、それも仕方がない。ライブハウスとか、大学とかでやっていた。それがやはりPARCO劇場である。2日間もお好きにお使いください、とのこと。それではまたまたゲリラ的に、好きにやらせていただく次第である。
鈴木勝秀



[ CLOSE ]