出演者は、男と女。
舞台は、ベッドルーム。
限られた俳優と、限られた空間で綴る、
三十年間に渡る夫婦の物語。


出会い、結婚、幸福な新婚時代、夫の浮気、冷め切った夫婦生活、再び取り戻す夫婦の絆、そして、別れ。

「グッドナイト スリイプタイト」は、どこの夫婦でも起こり得る、ごくごくありふれた人生の断片を、すべて夫婦の寝る直前の会話 として描いていきます。
ダブルベッドは、やがて二つのシングルベッドになり、さらにそのベッドの間隔が次第に開いていき、一時は部屋の端と端になって、そしてまた近づいていく。その時の夫婦の距離を、ベッドの距離が表現します。
さらに時制を逆転させ、物語は二人の別れのエピソードから始まります。
徐々に年代を遡って、エンディングが「出会い」となります。
夫も妻も50代から始まり、次第に若返って、最後は20代に。

時間が遡っていくことで、この夫婦がなぜ結婚したのか、なぜ子供がいないのか、なぜ深い絆で結ばれているのか、様々な「なぜ」が少しずつ解明されていきます。

そして、舞台上には彼らの他にミュージシャンが四人。二人の心の流れを音楽でサポートしていきます。

まるでドラマチックではない人生の瞬間の一つ一つを、限りなくドラマチックに描く、可笑しくて切ない、大河ラブストーリー。