三島由紀夫との交友も深く、彼の感性・文学の肌合いにも精通し、三島戯曲の行間をくまなく読み取る美輪明宏でしか成しえなかった演出。 美輪明宏の完璧なまでの演技術・技巧により　江戸川乱歩原作／三島戯曲の持つ日本語の美しさや美的頽廃を余すことなく表現する〈壮大な恋愛物語〉として描きます。 　三島由紀夫氏の切望で1996年遂に実現し、本年2002年再演でも大好評を博した、『近代能楽集より「葵上・卒塔婆小町」』。2001年パルコ劇場にて上演された寺山修司作『毛皮のマリー』。そして1997年,1999年の『双頭の鷲』。 これらの作品の演出でも証明された美輪明宏の演出力。 日本語の持つ美しさ・修辞・逆説を余すことなく発揮した、江戸川乱歩原作・三島由紀夫戯曲を、その知性と創造力に基づくその演出力で、私たちに説き明かしてくれる事でしょう。 　それに加え、『双頭の鷲』（1997年）での王妃役では読売演劇大賞優秀賞を受賞するなど圧倒的な支持をされている美輪明宏の演技術。 美しい日本語を具現化し、難解なテーマを、分かりやすいエンタテインメント作品に昇華してしまう力を持っています。 そしてまた、自著『人生ノート』でも述べているように、無味乾燥とし、殺伐とした現代、知性と理性の欠如した現代へ一石を投ずるべく、まさに理知的な高品質の演劇エンタテインメントー となることでしょう。 ダンディで、理知的で、黒蜥蜴の表裏の永遠の恋人　明智小五郎。 風貌・年恰好・高度な演技術が要求される役に、美輪明宏氏とは1999年『双頭の鷲』で、スタニスラスという王妃を憎み、愛する青年詩人を好演、大絶賛を得た高嶋政宏を迎えての上演となります。 緑川夫人実は黒蜥蜴／美輪明宏　明智小五郎／高嶋政宏 須藤温子、木村彰吾／田口計、有田麻理／城月実穂、江上真悟、平田桃介、倉持一裕　他 美術補：松野潤　照明：戸谷光宏　音響：高橋巖 衣裳コーディネイト：四方修平　演出補：岸田良二　舞台監督：北条孝・佐川明紀 東京主催：テレビ朝日・TBSラジオ 企画・制作：株式会社パルコ　制作協力：オフィスミワ