中学生のたつとは、家を飛び出して公園にいた。
彼女に髪型がみっともないという理由で振られ、むしゃくしゃして母親に怒鳴り散らしてしまった。
そこにたつとのちょっと変っていてうざったい叔父さんが現れる。
弱気になっているたつとは、根掘り葉掘り叔父さんに母親を怒鳴った理由を聞かれてつい尋ねてしまう。
「僕の髪型かっこ悪い?」
その問いを聞いて、叔父さんは一つ話をしようという。

そんなにも昔でもない昔、

龍が出てくる時代、男のかっこよさは男が決めていた時代のことを。

ブルース・リーになりたかった男
ブルース・リーになれなかった男
ブルース・リーに憧れた男
ブルース・リーを知らない男


1970年代、ブルース・リーを通して男の生き方の美学を学んでいる4人の中学生がいる。
彼らは生活の全てをブルース・リーで染め上げ、懸命にブルース・リーになろうとしていた。
何故ならそこには孤高に自分の信念を貫き生きる一人の男の生き様の美学が凝縮されているから。

大人になりかけの頃の憧れの人、ブルース・リーを通してかっこいい男の生き方を模索していく中学生たち。
その精神は、20数年たって自分たちがとっくにブルース・リーの年代を過ぎその頃のことは
忘れたように見えていても心の奥深くに根をおろしていて、いつか羽ばたこうとしているのだった…