このたび、パルコ劇場では2005年11月公演といたしまして、イタリア人女性作家、ダーチャ・マライーニ作「メアリー・ステュアート」を上演する運びとなりました。

 本作品は血なまぐさい宗教戦争と華やかなイギリス・ルネサンス文芸の黄金時代である16世紀に生きたスコットランド女王 メアリー・ステュアートとイングランド女王 エリザベス1世という同時代に同じ島の中に生きた二人の女王を描いた作品で、フリードリッヒ・シラーの同名作品の翻案として、イタリア人作家のダーチャ・マライーニが女性の視点からこの二人の女王を主人公に描いた戯曲です。

  今回の新演出においての宮本亜門の視点は「男性社会の中で虐げられた悲劇の女王としてではなく、"自分と闘う"二人の女王を描きたい。」です。
まさに社会の中での女性としての闘いであったり、出産についてであったり…。現代的な女性の、うめき、もがきがこの二人の女王を通して繊細に書かれている本作品は今を生きる女性たちへの「生き方」を問うあらたなスタンダード作品といえるでしょう。

 そして本作品に生身で挑む二人の女優は原田美枝子と南果歩。二人の女優があらたな「歴史」を創りだします。

 この秋パワフルにお届けする「メアリー・ステュアート」、2005年11月3日(祝)からパルコ劇場をはじめ、大阪、松本にて上演いたします。どうぞご期待ください。