想い出のカルテット 〜もう一度唄わせて〜

Introduction

【黒柳徹子と個性的な共演者が奏でる珠玉のハーモニー。
人生のおかしみと切なさが詰まった傑作コメディ!】

1989年にスタートした黒柳徹子主演海外コメディ・シリーズの第25弾として、ロナルド・ハーウッド作のコメディ・ドラマ「想い出のカルテット〜もう一度唄わせて〜」を上演します。

「想い出のカルテット〜もう一度唄わせて〜」(原題:QUARTET)は、舞台「ドレッサー」、映画「戦場のピアニスト」「潜水服は蝶の夢を見る」などで著名な英国の脚本家ロナルド・ハーウッド(1934年生まれ)の傑作戯曲。あのダスティン・ホフマンが初めてメガホンを取り、マギー・スミスらの出演で映画化するという噂もある注目の作品です。

引退した音楽家が集まる高級老人ホーム。かつてオペラ「リゴレット」で共演したことがある元オペラ歌手4人が、作曲家ヴェルディ生誕を記念するホームでのコンサートで、再び「リゴレット」の四重唱を披露しようとするが・・・。

人生の晩年期に入った登場人物達が、もう一度輝いていた頃の自分たちを取り戻そうとする姿は楽しくてチャーミング。たくさんの笑いと優しい感動に溢れた舞台をお届けします。どうぞご期待下さい!

 

Story

引退した音楽家が集まる老人ホーム。シシー(阿知波悟美)、レジー(団時朗)、ウィルフ(鶴田忍)はかつてのオペラ仲間。豊満で天真爛漫、優しいシシー。お調子者で陽気なムードメーカーのウィルフ。知的で冷静沈着なレジー。しかし、シシーは近頃認知症の症状が見え隠れし、子供の頃住んでいたインドでの記憶と現実を行ったり来たり。ウィルフは一見下品で女好きだが、実は亡くなった妻を一途に思っている。レジーは淡々と読書をしながら日々を過ごしていたが、そこに、昔4人で「リゴレット」を唄った時のプリマドンナ、ジーン(黒柳徹子)が入所してきたことで心が乱れ始める。2人はその昔「9時間だけ!」夫婦だった。結婚式の夜に自分を捨てて出て行ったジーンのことがトラウマになっていたのだ。人気絶頂で舞台を去り、レジーを捨てて何度も結婚を繰り返したジーンも今は孤独。過去の栄光にすがりながら、彼らがいるホームへとやってきたのだった。そんな折、作曲家ヴェルディ生誕を記念するホームでのコンサートで、「リゴレット」の四重唱を披露しようという話が持ち上がる。盛り上がる他の3人をよそに、唄うことを頑なに拒否するジーン。実は彼女、引退後30年間一度も唄ったことがなかった!
それぞれの問題や思いを抱えながら、もう一度輝いていた自分たちを取り戻そうと奮闘する4人。彼らは再び「リゴレット」を披露することができるのか!?

リゴレットとは

ジュゼッペ・ヴェルディが作曲した全3幕からなるオペラである。1851年、ヴェネツィア・フェニーチェ座で初演された。ヴェルディ中期の傑作とされる。

【第1幕】
 16世紀、舞台はイタリアのマントヴァ、公爵の館。好色な領主マントヴァ公爵は、モンテローネ伯爵の娘をたぶらかしたばかり。公爵に怒りをぶつける伯爵に対して、公爵に仕える道化師リゴレットは伯爵を笑いものにする。いつも人を嘲笑する役のリゴレットは、他の家臣たちからも恨まれていた。伯爵は「父親の苦悩を笑うお前は、呪われよ」と言い捨てます。内心、焦るリゴレット。実はリゴレットには、隠し育てていた一人娘がいた。  これも運命か、リゴレットの娘ジルダは、教会でマントヴァ公爵と出会ってしまう。貧しい学生だと嘘をついてジルダに接近する公爵。世間知らずのジルダは、すっかり恋に落ちてしまった。
 このとき、リゴレットに恨みを持つ公爵の家来たちは、リゴレットが「愛人」を囲っているという噂を聞き、それなら、その女を公爵の館に誘拐してきて、道化師リゴレットをいつもとは逆に笑いものにしてやろうと企てる。そして見事、この誘拐は成功する。

【第2幕】
 事情を知らないマントヴァ公爵は、家来たちがジルダを館に連れてきたのを知って喜ぶ。その後、娘がさらわれたことに気づいたリゴレットも、公爵の館にやって来る。そこで父娘は再会。ジルダは父に、恋に落ちたのは事実だが、昨夜、不意にさらわれて恥ずかしい思いをしたと泣きながら説明する。リゴレットの怒りは公爵へ向けられ、彼は殺意を抱く。

【第3幕】
 田舎の居酒屋。その中でマントヴァ公爵は、今度は殺し屋スパラフチーレの妹マッダレーナに手を出している。未だ公爵への恋心を捨てきれないジルダに、リゴレットはその姿を外から覗かせ、諦めさせようさせる。マッダレーナを口説く公爵、色目を遣ってその気にさせるマッダレーナ、外から覗いて嘆き悲しむジルダ、娘の名誉のため改めて復讐を誓うリゴレットの4人が四重唱を唄う(「想い出のカルテット」の4人が唄おうと奮闘する曲がこの四重唱)。その上でリゴレットはスパラフチーレに大金を渡し、公爵の殺害を依頼する。嵐の吹き荒れる夜、スパラフチーレが殺害の準備に入ると、公爵に恋をした妹マッダレーナが殺害を止めるように訴える。金をもらったので誰か身代わりが必要だというスパラフチーレの言葉を、壁穴から秘かに聞いてしまったジルダは、自らが身代わりになることを決意する。
 リゴレットはスパラフチーレから公爵の死体が入っている袋を受け取り、中を確認して驚愕。そこには自分の愛娘の姿があった。呪いが現実となった。

 

Story

黒柳徹子海外コメディ・シリーズの22年の歩み

「黒柳徹子海外コメディ・シリーズ」は、銀座セゾン劇場のプロデュース公演として1989年にスタート。「アマデウス」や「ブラック・コメディ」でもお馴染みのピーター・シェーファーの当時の最新作「レティスとラベッジ」を上演しました。主人公のおしゃべり観光ガイド・レティスの役が、まるで黒柳徹子にあてて書かれたように、ぴたりとはまり、共演の山岡久乃の名演技とも相まって、笑いと感動の舞台が大変な反響を呼びました。以来22年間、黒柳徹子はほぼ毎年、新作翻訳劇に挑み、20演目、24作品の舞台に立ってきました。1996年には、本シリーズの「幸せの背くらべ」と「マスター・クラス」で、舞台女優最高の名誉ともいうべき毎日芸術賞と読売演劇大賞の大賞及び最優秀女優賞に輝きました。
年中行事のように毎年観劇してくださるファンの方も多い、本シリーズ。今年も笑いと感動、そして元気を皆様にお届けいたします。

黒柳徹子主演海外コメディ・シリーズの歴史