海をゆく者

運命のクリスマス・イブ。神は誰に微笑むのか?

作家・コナー・マクファーソンからのメッセージ

Introduction

Story

その他CAST

コナー・マクファーソン Conor McPherson / 作

1971年8月6日生
アイルランド人劇作家であり演出家。
ダブリン生まれ、ユニバーシティ・カレッジ・ダブリンに学ぶ。大学の演劇サークルであるユニバーシティ・カレッジ・ダブリンのドラマソックの一員として初めての作品を執筆、次いでフライ・バイ・ナイト・シアタカンパニーを創立、ここで彼の作品の何本かが上演された。現代最高のアイルランド劇作家の一人と目されている。その作品は素晴らしい評を受け、世界各国で上演されている(特にウェスト・エンドおよびブロードウェイでの上演が顕著)。「The Weir 」は99年ローレンス・オリヴィエ賞最優秀新作戯曲賞を受賞。04年の「Shining City」では、ロンドン・テレグラフが「同世代最高の劇作家」と評すほどであった。後悔、罪、当惑についてじっくりと考察したこの作品は、自らも心理学的秘密を持つ精神科医のダブリンにあるオフィスの中だけで繰り広げられる。芝居のほとんどは、患者のモノローグの形で語られるが、日常的な物語、微妙な心の痛みやユーモアが、この作品を忘れられない経験にしている。06年にはブロードウェイでも上演され、最優秀演劇賞を含め2つのトニー賞にノミネートされた。06年9月には、マクファーソンは「The Seafarer(海をゆく者)」でナショナル・シアターにおいて劇作家として、また演出家としてデビューを果たし、絶賛された。主演はカール・ジョンソン、ジム・ノートン、共にポーカーをするメフィストフェレス的な客にロン・クックという配役。ジム・ノートンはこの演技によってオリビエ賞を受賞、マクファーソンはオリビエ賞とイブニングスタンダード賞の二つに、共に最優秀作品賞でノミネートされた。07年10月、「海をゆく者」はブロードウェイで上演、クリエイティブチームのほとんどは、マクファーソンの演出も含めてオリジナルのまま、またジム・ノートン、コンレス・ヒルもそれぞれ同役を演じた(舞台および映画でも活躍するデイヴィッド・モースがシャーキー役を引き継ぎ、ミスター・ロックハートはシアラン・ハインズが演じた)。
このブロードウェイでのプロダクションは熱狂的批評を受け、中にはニューヨーク・タイムズのベン・ブラントリーの「マクファーソンは彼の同世代で最高の劇作家と言えるだろう」という評や、オブザーバーの「簡潔で衝撃的で不気味、その上これまでのマクファーソンの芝居の中で最高に可笑しい」というものもあった。ナショナル・シアターでの「海をゆく者」で、リチャード・ハーキンを演じたジム・ノートンは、07年のローレンス・オリヴィエ賞最優秀助演男優賞を獲得、また08年トニー賞の最優秀助演男優賞にも輝いた。
初の映画脚本「I Went Down」も、大いに賞賛され、商業的にも大成功を収めた。初の映画監督作品「Saltwater」は、ベルリンフィルムフェスティバルでCICAE賞(国際芸術映画館連盟賞)最優秀作品賞を受賞。二番目の映画「The Actors」も、マクファーソン自身が執筆、監督した。09年トライベッカ・フィルムフェスティバルでワールド・プレミエした映画「The Eclipse」でも監督、共同脚本を務めていた。13年に上演した「The Night Alive」では、NY批評家賞で最優秀演劇賞を受賞。オリビエ賞にもノミネートされている。
【主な映画作品】
「I Went Down」(97) (脚本)、 「エンドゲーム」(00) (監督)、「The Actors」(03)
(脚本及び監督)、「エクリプス」(09) (共同脚本及び監督)
【演劇作品】
「ラムとウォッカ」(92)、「The Good Thief 」(94)、「This Lime Tree Bower」(95)、「St. Nicholas 」(97)、「The Weir(堰)」(97)、「Dublin Carol 」(00)、「Port Authority」(01)、「Come on Over 」(01)、「Shining City(シャイニング・シティ)」(04)、「The Seafarer(海をゆく者)」(06)、「The Bird」(09)、「The Vail」(11)、「The Dance of Death」(12)、「The Night Alive」(13)

小田島 恒志(おだしま こうし)/ 翻訳

1962年3月17日生、東京都出身。早稲田大学文学部教授。早稲田大学博士課程、ロンドン大学修士(MA)課程修了。日本英文学会、日本ロレンス協会、日本演劇学会会員。現代イギリス小説と現代英米演劇を専門とし、D.H.ロレンスの小説と戯曲、戯曲翻訳の実際などを研究。また翻訳や戯曲翻訳を多く手掛けている。著書に『ミスター・ビーン』(英潮社)、共著書に『ロレンス文学鑑賞事典』(彩流社)、訳書に『欲望という名の電車』(慧文社)、『コペンハーゲン』(劇書房)、共訳書に『三人姉妹』、『ビューティフル・ボーイ』、『そして、愛する彼女のために』、『Mr.ビーンのらくがき帳』、『ビーン』(以上、河出書房新社)、『シェイクスピアについて僕らが知りえたすべてのこと』、『ファイアベリー』、『もう一日』(以上、日本放送出版協会)、『ニンジャ×ピラニア×ガリレオ』(ポプラ社)、『レイ・クーニー笑劇集』(劇書房)などがある。95年度湯浅芳子賞〈翻訳・脚色部門〉受賞。
【近年の 主な翻訳戯曲】
『エイミィズ・ヴュー~愛すること、失うこと』(98/演出:栗山民也)、『おやすみ、こどもたち』(01/演出:岸田良二)、『ジェイプス Japes~記憶の棲む家~』(02/演出:宮田慶子)、『海をゆく者』(09/演出:栗山民也)『イット・ランズ・イン・ザ・ファミリー~パパと呼ばないで~』(14/演出:山田和也)〈以上、パルコ劇場〉
『GHETTO/ゲットー』(95/演出:栗山民也)、『メッカへの道』(98/演出:
栗山民也)、『エヴァ、帰りのない旅』(98/演出:栗山民也)、『プルーフ/証明』
(01/演出:鵜山仁)、『欲望という名の電車』(02/演出:蜷川幸雄)、『うら騒ぎ/ノイゼズ・オフ』(05/演出:白井晃)、『短篇集 Collected Stories』(05/演出も)、
『ヒーロー』(05/演出:加藤健一)、『詩人の恋』(06/演出:久世龍之介)、
『CLEANSKINS~きれいな肌』(07/演出:栗山民也)、『ブラックバード』(09/演出:栗山民也)、『ピグマリオン』(13/演出:宮田慶子)、『THE BIG FELLAHビッグ・フェラー』(14/演出:森新太郎)、『THE 39 STEPS』(14/演出:福田雄一)など。
※( )内の年は上演年。
栗山 民也さんの写真

栗山 民也(くりやま たみや)/ 演出

1953年1月15日生、東京都出身。
早稲田大学文学部演劇学科を卒業後、「芸能座」で小沢昭一氏に師事。その後、木村光一氏の演出助手として数多くの舞台作りに参加、フリーの演出家となる。初演出作品は『ゴドーを待ちながら』(80/紀伊國屋ホール)。昭和63年度文化庁在外研修生としてロンドンに滞在、帰国後は小劇場から大劇場まで、ストレートプレイをはじめミュージカルやオペラまで幅広いジャンルで活躍。00年7月~07年7月、新国立劇場演劇部門の芸術監督を務めた。96年に
『GHETTO/ゲットー』の演出で芸術選奨文部大臣新人賞、第30回紀伊國屋演劇賞、第3回読売演劇大賞最優秀演出家賞を受賞。99年には『エヴァ、帰りのない旅』の演出で毎日芸術賞第1回千田是也賞、第6回読売演劇大賞最優秀演出家賞を受賞。01年に第1回朝日舞台芸術賞を、05年には『喪服の似合うエレクトラ』で第4回朝日舞台芸術賞グランプリを受賞。さらに、12年『ピアフ』で芸術選奨文部科学大臣賞、14年には『木の上の軍隊』、『マイ・ロマンティック・ヒストリー~カレの事情とカノジョの都合~』、『それからのブンとフン』の演出に対して、第39回菊田一夫演劇賞・演劇賞を受賞している。13年には紫綬褒章も受賞。著書に『演出家の仕事』(岩波新書)がある。

【近年の主な演出作】
『ドアをあけると…~COMMUNICATING DOORS~』(97)、『エイミィズ・ヴュー~愛すること、失うこと~』(98) 『海をゆく者』(09)〈以上、パルコ劇場〉、『GHETTO/ゲットー』
(95)、『海の沸点』(97)、『エヴァ、帰りのない旅』(98)、「夕鶴」(00・11)、『ワーニャおじさん』(02)、『櫻の園』(02)、『太鼓たたいて笛ふいて』(02・04・08)、『世阿彌』(03)、『夢の泪』(03)、『涙の谷、銀河の丘』(03)、『浮標』(03)、『喪服の似合うエレクトラ』(04)、オペラ「蝶々夫人」(05)、『母・肝っ玉とその子供たち』(05)、『箱根強羅ホテル』(05)、『夢の痂』(06)、ミュージカル『MA』(06・09)、『氷屋来たる』(07)、『CLEANSKINS~きれいな肌』(07)、『私はだれでしょう』(07)、『ブラックバード』(09)、『日本人のへそ』(11)、『ピアフ』(12)、『木の上の軍隊』(13)、『マイ・ロマンティック・ヒストリー~カレの事情とカノジョの都合~』(13)、『それからのブンとフン』(13)など多数。

小日向 文世さんの写真

小日向 文世(こひなた ふみよ)

1954年1月23日生、北海道出身。77年にオンシアター自由劇場に入団。96年の解散まで中核的存在として数々の舞台で活躍。解散後は映像にも活動の場を広げ、04年公開の映画「銀のエンゼル」で初主役、08年の連続ドラマ「あしたの、喜多善男」では統合失調症で分離した一人の人間の二役という主役を務める。11年の舞台「国民の映画」(パルコ)では第19回読売演劇大賞最優秀男優賞、12年公開の映画「アウトレイジビヨンド」では第86回キネマ旬報ベスト・テンで助演男優賞を受賞。

【近年の主な出演作】
<舞台> 『オケピ!』(00・03)、『彦馬がゆく』(02)、『12人の優しい日本人』(05~06)(以上作・演出:三谷幸喜)、『ミザリー』(05・07/演出:松本祐子)、『ドライブインカリフォルニア』(04/作・演出:松尾スズキ)、「国民の映画」(11・14/作・演出:三谷幸喜)「藪原検校」(12/演出:栗山民也)、「K.ファウスト」(12/演出:串田和美) 「あかいくらやみ」(13/作・演出:長塚圭史)
<映画> 映画「アウトレイジ」「犬飼さんちの犬」「ステキな金縛り」「アウトレイジビヨンド」「逆転裁判」「清須会議」「舞妓はレディ」
<TVドラマ> 「MOZU」(TBS・WOWOW)、「ラストホープ」「HERO」(CX)、「悪夢ちゃん」(MTV)、「緊急取調室」(ANB)、「嫌われ監察官」(TX)、「平清盛」(NHK)

吉田 鋼太郎さんの写真

吉田 鋼太郎(よしだ こうたろう)

1959年1月14日生、東京都出身。
97年に劇団AUNを結成。舞台を中心に活躍。演出も手掛ける。
蜷川幸雄演出作品欠かせない存在であり、『タイタス・アンドロニカス』『オセロー』で主演を果たした。『ヴェニスの商人』(演出:出口典雄)で第6回(99)読売演劇大賞優秀男優賞、『ハムレット』(演出:出口典雄)『リチャード二世』(演出:山崎清介)で第36回(01)紀伊國屋演劇賞個人賞、第64回芸術選奨演劇部門文部科学大臣賞を受賞。

【近年の主な出演作】
<舞台> 『喪服の似合うエレクトラ』(04/演出:栗山民也)、『悪魔の唄』(05/作・演出:長塚圭史)、『から騒ぎ』『リア王』(以上08/演出:蜷川幸雄)、『ムサシ』(09,13~14/作:井上ひさし 演出:蜷川幸雄)、『江戸の青空~Keep On Shakin'~』(09/作:千葉雅子 演出:G2)、『ワルシャワの鼻』(09/作:生瀬勝久 演出:水田伸生)、『MIDSUMMER CAROL~ガマ王子vsザリガニ魔人~』(08/作:後藤ひろひと 演出:G2)、『SISTERS』(08/作・演出:長塚圭史)、『黙阿弥オペラ』(10/作:井上ひさし 演出:栗山民也)、『アントニーとクレオパトラ』(11/演出:蜷川幸雄)、『こどもの一生』(12/作:中島らも 演出:G2)、『ヘンリー四世』(13/演出:蜷川幸雄)、『カッコーの巣の上で』(14/作・演出:河原雅彦)
<映画> 『守護天使』、『シュアリーサムデイ』、『ワイルド7』、『トリック劇場版 ラストステージ』、『相棒-劇場版III- 巨大密室!特命係 絶海の孤島へ』他 
<TVドラマ> 『風林火山』(NHK)、『カラマーゾフの兄弟』(CX)、『7つの会議』(NHK)、『半沢直樹』(TBS)、『MOZU』(TBS)、『トクボウ 警視庁特殊防犯課』(NTV)、『花子とアン』(NHK)

浅野 和之さんの写真

浅野 和之(あさの かずゆき)

1954年2月2日生、東京都出身。
安部公房スタジオ、劇団夢の遊眠社を経て、舞台をはじめ映画やTVドラマ等で幅広く活躍。’05年には舞台『ブラウニング・バージョン』『12人の優しい日本人』で第40回紀伊國屋演劇賞個人賞、第13回読売演劇大賞最優秀男優賞、’10年には『叔母との旅』で第18回読売演劇大賞最優秀男優賞を受賞。

【近年の主な出演作】
<舞台> 『ベッジ・パードン』(11/作・演出:三谷幸喜)、『HISTORY BOYS』(14/演出:小川絵梨子)、 『カラマーゾフの兄弟』(12/演出・振付:小野寺修二)、『藪原検校』(12/演出:栗山民也)、『叔母との旅』(12/演出:松村武)、『恋と音楽』(12/演出:河原雅彦)、『今ひとたびの修羅』(13/宮演出:いのうえひでのり)、『ドレッサー』(13/演出:三谷幸喜)、『かもめ』(13/演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ)、『ある女の家』(13/構成・振付:小野寺修二)、スーパー歌舞伎Ⅱ『空ヲ刻ム者―若き仏師の物語―』(13/作・演出:前川知大)、『抜目のない未亡人』(14/上演台本・演出:三谷幸喜)
<映画> 『清須会議』『荒川アンダー ザ ブリッジ』『ROOKIES-卒業』
<TVドラマ> 『55歳からのハローライフ』(NHK)、『続・最後から二番目の恋』(CX)、『ドクターX』(EX)

大谷 亮介(おおたに りょうすけ)

1954年3月18日生、兵庫県出身。
東京水産大学在学中に「オンシアター自由劇場」に入団。86年に作家・原田宗典とともに「東京壱組」を旗揚げ、1991年「分からない国」プロデュース及び演出により紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞。97年解散。03年「壱組印」旗揚げ。篠井英介、深沢敦とのユニット「三軒茶屋婦人会」にも参加。

【近年の主な出演作】
<舞台> 『フールフォアラブ』(07/演出:行定勲)、『歌わせたい男たち』(05・08/作・演出:永井愛)第5回朝日舞台芸術賞グランプリ・第13回読売演劇大賞最優秀作品賞、『ウドンゲ』(08/作:赤堀雅秋 演出:G2)、『ゆすり』(11/演出:青木豪)、『幻蝶』(12/作:古沢良太 演出:白井晃)、『ブライダル』(13/演出:G2&3軒茶屋婦人会)、『トライブス』(14/演出:熊林弘高)、『男の人生60年』(14/演出:大谷亮介)
<映画> 『鍵泥棒のメゾッド』、『相棒―劇場版―』
<TVドラマ> 『幸せハッピー』(HTB)、『戦力外捜査官』(NTV)、NHKドラマ10『聖女』、NHK大河ドラマ『軍師官兵衛』

平田 満(ひらた みつる)

1953年11月2日生、愛知県出身。
早稲田大学在学中に劇作家・演出家のつかこうへいと出会い、俳優活動を開始。
83年の解散まで「つかこうへい事務所」に参加。以降、舞台をはじめ映画やTVドラマ、CM等に多数出演。現在、井上加奈子とともに企画制作プロデュースユニット「アル☆カンパニー」の活動も行っている。82 年度に映画『蒲田行進曲』で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞、報知映画賞最優秀主演男優賞、キネマ旬報最優秀助演男優賞、ヨコハマ映画祭最優秀助演男優賞を受賞。01 年度には舞台『こんにちは、母さん』『ART』で第9回読売演劇大賞最優秀男優賞を受賞。

【近年の主な出演作】
<舞台> 『ダモイ~収容所からきた遺言~』(05~08/作・演出:ふたくちつよし)、『シュート・ザ・クロウ』(09/演出:田村孝裕)、『罪』(11/作・演出:蓬莱竜太)、『家の内蔵』(12/作・演出:前田司郎)、『父よ!』(13/作・演出:田村孝裕)、『失望のむこうがわ』(14/作・演出:三浦大輔)
<映画> 『アマルフィ 女神の報酬』、『曲がれ!スプーン』、『孤高のメス』、『わさお』、『八日目の蝉』、『キツツキと雨』、『臨場・劇場版』、『くちづけ』、『今日子と修一の場合』、『俺たちの明日』
<TV> 『ラストホープ』(CX)、『パンドラ』(wowowow)、『夫婦善哉』、『メイドインジャパン』(NHK)、『名もなき毒』(TBS)