世界初演!
テネシー・ウィリアムズが21世紀に蘇る!

この度パルコ劇場では、2009年3月公演といたしまして、『ストーン夫人のローマの春』を上演いたします。本作品は1950年にテネシー・ウィリアムズが小説として書き下ろしたものです。その小説を『ベント』のマーティン・シャーマンが戯曲化、2009年1月には自身の監督作品映画『ラーメンガール』の日本公開を控え、そして日本の演劇界に常に刺激を与えているロバート・アラン・アッカーマンが演出をいたします。世界初演となる本公演、今、テネシー・ウィリアムズの小説が舞台となって21世紀に蘇ります!


情熱の街、ローマを漂う孤独な女優
本作品は、ローマを愛したテネシー・ウィリアムズがはじめてこの地を訪れた時、太陽の光溢れる街に集う活気あふれる情熱的な若者たちから得た印象をもとに書き始められました。
そのローマを舞台に、美貌の衰えを感じ引退を決意、そして夫にも先立たれた一人のアメリカ人女優 カレン・ストーンがその孤独と空虚な心とは対照的に、活気溢れ、そして肉欲的なこの街に身を置き、その行き場をなくした心を埋めんばかりに一人の男娼に溺れていく様を美しく、そして情熱的に描いています。そして男娼の斡旋をすることで、ここローマで生き存えている一人の女性 コンテッサの逞しく哀しい姿が、裕福なアメリカ女性とは対照的に合わせ鏡のように描き出されています。


二度の映像化、そして次は・・・!
この『ストーン夫人のローマの春』ですが、1961年にヴィヴィアン・リー、ロッテ・レーニヤ、ウォーレン・ビューティの出演で映画化されております。そして、2003年には『クイーン』でオスカーを総なめにしたヘレン・ミレン、そしてこの映画が遺作となったアン・バンクロフト、ブライアン・デネフィーといった豪華キャストを揃え、今回のマーティン・シャーマン脚本、ロバート・アラン・アッカーマンの監督で再び映画化、優秀作品賞、優秀主演女優賞、優秀監督賞など、エミー賞5部門とゴールデングローブ賞2部門でノミネートされました。


舞台化世界初演の地、東京
マーティン・シャーマン、ロバート・アラン・アッカーマンによる映画化以来、ブロードウェイ、ウエスト・エンドのプロデューサーからの数々の舞台版のオファーが二人の元に殺到したことは言うまでもありません。しかし、彼らは世界初演の地として、ここ日本/東京、パルコ劇場を選びました。日本のパルコ劇場が選ばれたことは我々の誇りでもあり、栄誉であります。と同時に世界の演劇界に対して大きな責任を任されたといっても過言ではありません。私どもは本作品を東京からブロードウェイ、ウエスト・エンド、もちろん世界中に発信していきたいと思っております。


豪華女優陣の競演!
出演は、ヴィヴィアン・リー、ヘレン・ミレンが演じたカレン・ストーンを麻実れい。「この役を演じられるのは、彼女しかいない」とアッカーマンからの熱いラブコールに答え、『結婚』(TPT/2001)以来、8年ぶりの再会となります。そして、ローマの貴族でありながら、金持ちのアメリカ女性に男娼の斡旋をし、生計をたてているコンテッサ(映画では(ロッテ・レーニヤ、アン・バンクロフトが演じています)役にはその存在感がブラックダイアモンドのような深い輝きを放つ江波杏子。ストーン夫人の夫、ミスター・ストーンには団時朗、カレンの親友であり、本作品のナレーター的役割を果たすクリストファーには、文学座の今井朋彦、カレンが溺れるパオロにパク・ソヒ、そして、この始終カレンにつきまとう若い男役には、300人のオーディションから選ばれた鈴木信二など、実力派がそろいました。


米・英演劇界の最大の関心事!
テネシー・ウィリアムズは生前、数回日本に来日しており、彼が非常に日本を愛していたことは皆様もご存知だと思います。彼が愛した地、東京とローマ。
今、『ストーン夫人のローマの春』がこの二つの地を結びます。
米・英演劇界の最大の関心事、パルコ劇場から発信いたします。
どうぞお見逃しなく!