PARCO劇場 ビューティ・クイーン・オブ・リナーン
CAST
モーリーン・フォラン…大竹しのぶ
マッグ・フォラン(その母親)…白石加代子
パートー・ドゥーリー(ハンサムな近所の男)…田中哲司
レイ・ドゥーリー(その弟)…長塚圭史
 
STAFF
作:マーティン・マクドナー
訳:目黒 条
演出:長塚圭史
美術:二村周作 衣裳:前田文子 照明:佐藤啓 音響:加藤温 演出助手:坂本聖子
ヘアメイク:高橋功亘 舞台監督:菅野将機
製作:山崎浩一 企画:佐藤玄・田中希世子 プロデューサー:毛利美咲
企画製作:株式会社パルコ
 


マーティン・マクドナー(Martin McDonagh)
1970年ロンドン生まれ。
劇作家。両親の出身地であるアイルランドのリナーン地方を舞台にした96年『ビューティ・クイーン・オブ・リナーンThe Beauty Queen of Leenane』でデビュー。同作品はイヴニング・スタンダート紙賞新人作家賞の他、ニューヨーク・プロダクションが98年にトニー賞4部門を獲得するなど大ヒットした。続いて『スカル・イン・コネマラ A Skull in Connemara』『ロンサム・ウエスト The Lonesome West』を発表、 “リナーン三部作”を完成させた。さらに、アラン島三部作として、『The Cripple of Inishmaan』(『夢の島イニシュマン』のタイトルで文学座が上演、04年7月8月『ビリーとヘレン』のタイトルでメジャーリーグも上演)と『ウィー・トーマス (原題:The Lieutenant of Inishmore)』を発表した。いずれもアイルランドを舞台にしたブラック・コメディ。現在、世界で最も注目される劇作家である。03・06年にパルコ劇場が長塚圭史演出で上演した『ウィー・トーマス』は01年4月にロイヤル・シェイクスピア・カンパニーのジ・アザー・プレイスで初演、ウェストエンドでもロングランした作品。06年ニューヨーク、ブロードウェイでも上演され、その年のトニー賞にノミネートされた。『ピローマン The Pillowman』は、03年11月にロンドンのナショナル・シアターでオープン、04年4月まで同劇場でレパートリー上演され、同年のローレンス・オリヴィエ賞最優秀新作賞ほかを受賞した。長塚圭史演出による日本初演は04年11月、05年春にはブロードウェイでも上演された。


長塚圭史(ながつか・けいし)…【レイ】
1975年生まれ。
早稲田大学在学中の96年、演劇ユニット「阿佐ヶ谷スパイダース」の活動を開始、作・演出・出演の三役をこなす。「阿佐ヶ谷スパイダース」は、演目ごとに多彩なキャストを集めるプロデュース形式で作品を発表、観客の絶大な支持を集めている。近年の公演は『日本の女』(01)、『十字架』(02)、『みつばち』(03)、『はたらくおとこ』(04)、『悪魔の唄』(05)、『桜飛沫』(06)、『イヌの日』(06)、『少女とガソリン』(07)など。02年、『マイ・ロックンロール・スター』でパルコ劇場に作・演出家として進出。03年、マーティン・マクドナー作『ウィー・トーマス』ではじめて海外戯曲を演出し、高い評価を得た。続く04年の『ピローマン』(マーティン・マクドナー作)で、その評価をさらに高め、同年『はたらくおとこ』と『ピローマン』の2作品により、朝日舞台芸術賞と芸術選奨文部科学大臣新人賞をダブル受賞した。05年、パルコ劇場2作目の書き下ろし作品『ラストショウ』では読売演劇大賞優秀作品賞を受賞、06年に再演した『ウィー・トーマス』では読売演劇大賞優秀演出家賞を受賞した。他の外部プロデュース公演としては、『真昼のビッチ』(04/ヴィレッヂ)、『アジアの女』(06/新国立劇場)などがあり、07年9月には『ドラクル』(シアターコクーン)を上演する。


大竹しのぶ(おおたけ・しのぶ)…【モーリーン】
1975年、映画「青春の門 筑豊篇」でデビュー以来、常に第一線で活躍。名実ともに日本を代表する女優。近年の主な舞台作品に『奇跡の人』(鈴木裕美演出)、『マクベス』『欲望という名の電車』『エレクトラ』『メディア』(共に蜷川幸雄演出)、『贋作・罪と罰』『売り言葉』(共に野田秀樹作・演出)、『太鼓たたいて笛ふいて』『喪服の似合うエレクトラ』『母・肝っ玉とその子供たち』『ロマンス』(共に栗山民也演出)、『蛇よ!』(松尾スズキ演出)、『ヴァージニア・ウルフなんかこわくない?』(ケラリーノ・サンドロヴィッチ演出)、ミュージカル『スウィニー・トッド』(宮本亜門演出)などがある。03年に第37回紀伊國屋演劇賞個人賞、第2回朝日舞台芸術賞、第10回読売演劇大賞最優秀女優賞及び大賞を、05年に第13回読売演劇大賞優秀女優賞を、07年第32回菊田一夫演劇賞を受賞。近年の映画出演作は、『鉄道員(ぽっぽや)』、『黒い家』、『ふくろう』、『キトキト!』、『遠くの空に消えた』、『クワイエットルームにようこそ』など。テレビ、CFなどでの人気も高く、映画・テレビとも受賞歴多数。


白石加代子(しらいし・かよこ)…【マッグ】
1966年港区役所を退職して、劇団早稲田小劇場(現SCOT)に入団。劇団のみならず日本小劇場界を代表する女優として活躍。23年間の在団中に『劇的なるものをめぐってU』、『トロイアの女』、『バッコスの信女』(鈴木忠志演出)などに主演し、通算20ヶ国、80余りの都市を訪れた。退団後、様々な演出家と組み幅広い作品に出演。主な作品に、『メアリー・スチュアート』(宮本亜門演出)、『虎〜野田秀樹の国性爺合戦』(野田秀樹演出)、『夏の夜の夢』『身毒丸』『グリークス』『天保十二年のシェイクスピア『コリオレイナス』(共に蜷川幸雄演出)、『ミザリー』(鴨下信一演出)、『おやすみ、母さん』(鈴木裕美演出)、『国盗人』(野村萬斎演出) などがある。『百物語』シリーズは92年から、『白石加代子の源氏物語』シリーズは02年から続くライフワーク(共に鴨下信一演出)。79年度観世寿夫記念法政大学能楽賞、96年第1回、及び98年第3回読売演劇大賞優秀女優賞、01年スポニチ文化芸術大賞優秀賞、01年芸術選奨文部科学大臣賞、05年紫綬褒章を受賞。海外公演を含む作品への出演も数多く、まさに日本を代表する舞台女優である


田中哲司(たなか・てつし)…【パートー】
主な舞台出演作品に、『ハムレット』『夏の夜の夢』『NINAGAWAマクベス』(共に蜷川幸雄演出)、『春のめざめ』『ゴドーを待ちながら』(共に串田和美演出)、『愛の勝利』(デヴィッド・ルヴォー演出)、『OUT』(鈴木裕美演出)、『欲望という名の電車』『動物園物語』(共に鈴木勝秀演出)、『嵐が丘』『ワニを素手でつかまえる方法』(共に岩松了演出)、『溺れた世界』(白井晃演出)、『城』(松本修演出)、『労働者M』(ケラリーノ・サンドロヴィッチ演出)など。映画出演も数多く、主な作品に『ひまわり』、『GO』、『ゲロッパ!』、『着信アリ』、『海猿』、『それでもボクはやっていない』、『魂萌え!』、『エクステ』、『東京タワー −オカンとボクと、時々オトン』、『パッチギ! LOVE&PEACE』、『遠くの空に消えた』などがある。