1989年ピーター・シェーファーの傑作「レティスとラベッジ」で幕を開けた「黒柳徹子主演海外コメディ・シリーズ」。この20年間、たくさんのお客様の熱い支持を得て、黒柳徹子と多彩な共演者が楽しく心に残る22本の舞台を生み出してきました。記念すべき20周年の節目を迎える今年は、米国の作家、ジョン・トビアスによる抱腹絶倒の艶笑コメディ「ベッドルーム・ファンタジー」を上演します。

欲求不満のご婦人オリヴィア・グリフィン(黒柳徹子)と夫のチャールズ・グリフィン(団時朗)は、豊かな夫婦生活を取り戻すべく試行錯誤中。そこへマンションの管理人(石田太郎)と神経質な空き巣(田山涼成)、オリヴィアの姉(立石凉子)までが加わって、思いがけない展開に・・・
ひと癖もふた癖もある登場人物が入り乱れて、騒ぎが騒ぎを呼ぶ大爆笑喜劇。比類なきコメディエンヌ黒柳徹子と、個性溢れる共演者たちが底抜けに面白い舞台をお届けします。


「黒柳徹子海外コメディ・シリーズ」は、銀座セゾン劇場のプロデュース公演として1989年にスタート。「アマデウス」や「ブラック・コメディ」でもお馴染みのピーター・シェーファーの当時の最新作「レティスとラベッジ」を上演しました。主人公のおしゃべり観光ガイド・レティスの役が、まるで黒柳徹子にあてて書かれたように、ぴたりとはまり、共演の山岡久乃の名演技とも相まって、笑いと感動の名舞台となり、大変な反響を呼びました。以来20年間、黒柳徹子はほぼ毎年、新作翻訳劇に挑み、18演目、22作品の舞台に立ってきました。1996年には、本シリーズの「幸せの背くらべ」と「マスター・クラス」で、舞台女優最高の名誉ともいうべき毎日芸術賞と読売演劇大賞の大賞及び最優秀女優賞に輝きました。
黒柳徹子がコメディにこだわるのは「世の中には辛いこと悲しいことの方が多いので、せめて芝居を観ている2時間は、それを忘れて笑ってほしい」という思いから。また、「靴を履いて最も多く長く舞台に上がった女優を目指す(和物の足袋や草履ではなく)」とも語り、毎年、笑いと感動、そして元気を客席に届けています。年中行事のように毎年観劇してくださるファンの方も多い、本シリーズ。20年の感謝をこめて、この秋もとびっきりの舞台をお贈りします。


今回の黒柳徹子は、セックスレスに悩み、おかしなセラピーに熱を上げる世間知らずの奥様グリフィン夫人役。疑うことを知らないお嬢様育ちのパワーで、周囲をとんでもない目にあわせます。そのおかしなセラピーに妻を引きずり込んだちょっとアブナイ夫、グリフィン氏役には、本シリーズの「ブロンドに首ったけ」(02)、「ふたりのカレンダー」(05)でも黒柳徹子と共演した団時朗。この夫妻の最初の“犠牲者”管理人コネリーには、93年の「カラミティ・ジェーン」以来、16年ぶりの本シリーズ出演となる石田太郎。2番目の“犠牲者”空き巣ラップチックには、「劇団夢の遊眠社」出身でバラエティでも大活躍の田山涼成。グリフィン夫人の“可哀想な”姉ルイーズには演劇集団円を代表する女優・立石凉子が扮します。5人の芸達者たちが、爆笑シチュエーション・コメディをいっそう盛り上げます。
演出は、1996年の「幸せの背くらべ」以降ほとんどの「黒柳徹子主演海外コメディ・シリーズ」を手がける高橋昌也。黒柳徹子の厚い信頼を得て、今回も丁寧にテンポよく舞台をつくりあげます。

黒柳徹子と充実の共演陣、スタッフでお贈りする20周年記念の舞台「ベッドルーム・ファンタジー」。どうぞご期待下さい。