この芝居は、実はボクと中谷の間では、「お父さんの恋」(05)より前にプロットを話し合って、温めてきたものです。

女性同士の会話を聞いてると、面白いなあと思うんです。
顔はニコニコしてるけど、心の中では相手のことを「死ねばいいのに♥」と思ってるのでは?とか、この二人はキャラがかぶってないという理由だけで仲良しなのでは?とか。
オンナの友情ってオトコとは違うと感じるのですが、それはこういう女性ならではの心の動き、ボクに言わせると「高度で複雑なコミュニケーション技術」から生み出されるものだからかもしれません。

誰もが小さな罪を抱えて生きています。
ウソをついたり、嫉妬したり、イジワルをしたり。
それは人間が、自分の大切なものを守るために戦う生き物だからだと思うのです。
戦いに必死になれば平気でみっともないこともするのです。
そしてボクは、そういう愚かしくも愛おしい人間を描きたいと、いつも思っています。

中谷とのシリーズは今回で六作目になりますが、この後しばらく新作をお届けできない見込みです。
ある意味集大成のつもりで演出したいと思っています。
劇場でお待ちしております。